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落葉松自転車商会

Larix Bicycles

飯綱山麓をめぐる~市街地スタートの里山サイクリングその1~

長野市の北部にそびえる火山「飯縄山(1917m)」は長野市民の山として学校登山から親しまれている山!
今回は飯綱山の麓に広がる飯綱高原の自然と人の営みを巡るポタリングです。
ルートはこちら

latlonglab.yahoo.co.jp
善光寺平の北にそびえる長野市民の山「飯縄山

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飯縄山は標高1917mの複層式火山で、妙高山や黒姫山が属する妙高火山群の一つですが約15万年前に火山活動は衰えているようです。「妙高・斑尾・黒姫・飯縄・戸隠」と北信五岳の一つに数え上げられています。
山岳信仰の山であり、平安時代から興った飯縄権現の信仰は戦国時代から江戸時代にかけて武家社会の間で定着しました。東京八王子の高尾山薬王院のご本尊もこの飯縄権現であり、実は大元が信州の飯綱山なのですね。
飯縄山からかつて噴出した火砕岩や火山岩とその上を覆う火山性の堆積物によって形成された裾野には、飯綱高原が広がります。戦中あたりから耕作地や酪農地として開拓が始まり、東京五輪の頃に戸隠バードラインが開通してからは、スキーやゴルフといったリゾート地や別荘地として開発が進められてきました。
実に気持ちのよい高原道路が走っていますので、自転車でも頑張って坂を登れば爽快なワインディングが楽しめるというものです。

今回は飯縄山麓を巡るポタリングです!

 
◆ぐるぐるまわるよ浅川ループライン
長野市街から北に伸びる長野大通りを北上し、長野市浅川のセブンイレブンで補給。ここから県道506号浅川ループラインに入り飯綱高原へ登っていきます。浅川ループラインは浅川ダムと長野五輪のソリ競技場「スパイラル」へのアクセス道路として建設された道です。

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しばらく登ると真光寺ループ橋が見えてきます。この登る途中左側にブランド薬師という目を引く文字が。ブランド?薬師?
これは「ぶらん堂」という鳥取投入堂みたいな危なっかしいお堂が崖上にあるからだそう(諸説あり)。今回はシンドいのでパスしてしまいましたが、訪ねてみたい場所であります。


そして、程なく石油井戸跡というまたまたソソる案内が!(別に登るのしんどいから足を止めてるわけじゃな…いと思うw)

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なんと長野市真光寺に石油が湧いていたというのです。1753年の瀬下敬忠による「千曲真砂」の中で『地中より油湧き出る所有』と書かれたのが初出。信州の旅行記を多数残した菅江真澄も新潟でみた「臭水(くそうず)」と似ているとの記述があります。1847年の善光寺地震では天然ガスが噴出し「新地獄」という名所になったそうです。明治に入り石坂周造という飯山出身の元幕末志士がこの石油井戸に目をつけ、日本初の石油会社である「長野石炭油会社」を設立しました(本社のあった場所は神田明神下の大岡越前守屋敷の跡地だとか)。しかし、機械を新調するも生産量はおよそ224㎥ほどと少なく、質の低下もあり石油採掘から撤退に至ります。それでも1973年まで採掘が行われました。県内では石炭の採掘や石油井戸が何箇所かあり、今でも生坂村の「地獄」のように天然ガスが噴出するところもありますが、現存する石油井戸というのは真光寺のものが県内で唯一となっています。
年季の入ったサカエ製の汲み上げポンプが、今も採掘現場の情景を伝えています。

 

 

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勾配はキツくないものの、延々と上り坂が続きます。鮮やかに目を引く朱色の花は信州名産ハナマメの花。平たい豆なので「ぺったんこ豆」とか呼んでました。もうもうと煙を上げるプラントは「いいづなお山の発電所」。2基を合わせ年間2400万kWhを発電する木質バイオマス発電所です。そして程なく見えてくるのは長野冬季五輪でソリ競技の会場となった「スパイラル」。バス停もスパイラルです。

坂を登り切ると飯縄山麓をぐるっと結ぶ県道404号線に丁字路で接続、牟礼方面へ右折します。

 


◆10万年の積み重ね「逆谷地湿原」

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霧がかかって飯縄山は見えません。おまけに霧雨が降ってきました。雨が浮いた路面に注意しつつワインディングを抜けると、今日の目的地「逆谷地湿原」です。深さ約14mの泥炭層の堆積があり、植生変遷や気候変動の手がかりとなる約10万年の地層記録を持つ、周囲から流入する水源の無い貴重な高層湿原であります。

 

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オオニガナといった希少な植生も見られ、長野県自然保全特別地区に指定されています。「逆谷地」の名は諸説ありますが、飯縄山へ向かうように流れ出ている様からと考えられています。
実は私の卒論の調査地でありまして、久々の再訪ということでありました。
簡単なスライドを置いておきます。

 

www.slideshare.ne
人の営みと飯縄山麓の自然は密接な関係があるということです。


◆飯綱高原そして北国街道へ

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逆谷地湿原を後にし、牟礼方面へ。飯綱山麓の開拓地を行く道すがらには酪農家や伸びやかな畑の景色が広がります。薄暗いくねくね道を下って行くと牟礼・三水の景色が広がります。県道37号を渡り、さらに東へ進めます。

 

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飯綱町袖之山地区の舟石です。現在の飯縄山が出来る前の火山体が大崩壊を起こし、牟礼岩屑なだれとなり10km近く離れた袖之山地区まで転げたと考えられています。上面に貯まる決して枯れることのない不思議な水があり、薬効があると広まったこともあったそうです。

 

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かつては北国街道の要衝であり、今は各種アンテナがそびえる三登山、髻山(もとどりやま)の北側をトラバースしていくと、飯綱町平出の平出神社のところで県道60号線(北国街道)に接続します。


善光寺平を眺めながら長野市街へ下っていきます。お疲れ様でした。

見どころ満載の飯縄山ポタリングでした。
更に北に野尻湖エリアまで足を伸ばしてもいいですし、戸隠エリアを回って帰ってくるのもいいでしょう!