落葉松自転車商会

Larix Bicycles

映画「さよなら、クロ」の景色を求めて

12/12の土曜日に、松本が舞台の少女漫画「orange」の映画版が上映開始しました。
縄手通りや弘法山古墳など、松本市街をはじめ長野県各地でロケが敢行され、信州の美しい景色の中で進む切ないストーリの映画とあって、話題になっております。

銀嶺連なるアルプスや冷涼な高原、澄んだ川などの美しい自然と、善光寺松本城、奈良井宿といった歴史ある風景が多くの観光客を惹きつける長野県。

映画やMVなど数多くの映像作品のロケ地として信州の景色は使われていま

す。

 

 

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今から12年前の2003年に「さよなら、クロ」という犬の映画が上映されました。
松岡錠司 監督、妻夫木聡さん主演の松本深志高校でおこった実話を元に映画化された作品です。1961年から高校に住み着き、生徒や職員からこよなく愛された犬だったそうです。なんと犬なのに学校に籍を置き、職員会議にまで出席していたというから驚き。天寿を全うした際には、きちんと学校葬が執り行われたそうです。
実際に松本深志高校で撮影が行われ、長野県内の各所でロケが行われました。

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松本市里山辺のまんぼう食堂や長野電鉄(松電ではないのよね)が登場。劇中で使われている古い自転車は松本の有名な老舗バイシクルショップが提供しているそうです。

そのロケ地の幾つかが私の住む、伊那谷にあるということで自転車で訪ねてみました。

 

まず、冒頭の妻夫木聡さんが演じる木村亮介が初めてクロと橋の下で出会うシーン。

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ここは上伊那郡箕輪町八乙女にある水路橋がロケ地として使われています。

伊那谷の西部、天竜川の河岸段丘の上の水利の悪い耕作地帯の灌漑のために作られた「西天竜幹線水路」。当地域の人々の悲願であったこの水路は、明治時代に構想が練られ、昭和3年に完成し今も伊那谷の農業生産を支えています。岡谷市川岸で取水し、全長約25km、約1200ヘクタールの田畑を潤し、伊那市小沢の西天竜発電所でその役目を終え再び天竜川水系に戻ります。途中35基もある、均等に水を分配する「円筒分水」も見どころです。

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伊那谷は「田切地形」という、段丘を東西に溝をを掘るように中央アルプスからの川が天竜川に流れ込み、独特の地形を成しています。つまり、水路は幾度となく田を切るような谷を渡らなければなりません。冒頭のシーンで登場した水路橋西天竜幹線水路が深沢川を渡るために昭和2年に完成した橋なのです。今は深沢サイフォンにその役目を譲り、車道となっています。

ラストシーン、若い二人が南アルプスに向かって真っ直ぐ伸びる一本道を歩むという印象的なシーン。

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ここは、伊那市与地の田んぼ道なのです。


とにかく空が広く開放的なんです。満天の星空や凍てつく冬の朝焼けが素晴らしいのです。スキマスイッチの「ラストシーン」という楽曲のMVにも使われています。
松本が舞台なはずなのに、結構重要なシーンが伊那谷の景色なのはちょっと嬉しかったり、いいのか?と思ったりw


「orange」「さよなら、クロ」など信州の美しい景色が満載の映画を楽しんでいただいて、実際にその景色に訪れていただきたいのです!
信州は皆様をお待ちしております。


というわけで急に始まったこのブログ。
信州は伊那谷に住む自転車まみれの私が、かつて走ったサイクリングの旅行記や、カスタマイズ、様々な自転車の世界の紹介、小さな模型自転車の世界までこのブログを通して発信していきます。